自然と歴史材料に学ぶ機能性材料の設計

酸化鉄ナノ粒子

バイオミネラリゼーションと歴史的伝統材料にヒントを得て新しい機能性金属酸化物を開発しています。 地下水に生息する鉄酸化細菌が地表に現れる際に創り出す水酸化鉄は,見事に制御された多孔質チューブ状構造を持っています。 この材料を単に加熱するだけで鮮やかな赤色顔料が得られます。また,日本最古の人工赤色顔料(吹屋ベンガラ)には微量のAlに含まれており, 酸化鉄赤色顔料(α-Fe2O3)の鉄サイトへのAl3+の固溶が高彩度化に有効であることがわかっています。 本研究では,鉄酸化細菌と吹屋ベンガラから着想を得て,特異なナノ・マイクロ構造を有する高彩度多孔質酸化鉄顔料を合成し,着色材としての応用研究を進めています。 右の図は酸化鉄ナノ粒子から成る多孔質構造体の電子顕微鏡像(左)と細孔構造(右)です。

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